BRIVISTA(旧nobodyhike)の山崎です
再販を待ち望んだ方々、大変長らくお待たせいたしました。これより「Trail Camera Pouch 2」の予約注文を開始いたします。
単なる再販ではなく、もはや「フルモデルチェンジ」と呼ぶべき多くの進化を遂げました。この商品の歩んできた歴史、そして約2年間に及ぶ試行錯誤と改良に込めた想いを、ここに綴らせていただきます。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
ブランドの原点:実体験から生まれた「答え」
登山とカメラは、私にとって切っても切れない関係です。 目の前に広がる稜線、一瞬の光の差し込み。その感動を最高の一枚に収めたい。
しかし、過酷な山岳環境で精密機器をむき出しで運ぶ不安。ストラップで首から下げれば揺れが気になり、カメラキャプチャーも試しましたが、体への干渉や荷重の偏りがどうしても「しっくり」こない。そんな、理想の運び方が見つからないストレスをずっと抱えていました。
「一瞬を逃さず、かつ安心して山を歩けるギアが欲しい。」
そんな私自身の切実な悩みから生まれたのが、ブランドの原点である「Trail Camera Pouch」でした。

2023年3月、フィールドテストを繰り返してようやく形にした初代モデルは、「過酷な山行中でも、撮りたい瞬間にサッと取り出し、撮り終えたらスッと戻せる。」という利点が多くの方に支持されました。実際にフィールドで愛用してくださった皆様からの評価も高く、一人の作り手として、これ以上の喜びはありませんでした。本当にありがとうございました。
「もっと良くできる」という葛藤の2年
完売後も、私の頭の中には「さらに進化させたい」という想いが常にありました。 再販を待ってくださる方々に、ただ同じものを作るのではなく、今の私が最高だと思えるものを届けたい。
そこでユーザーの皆様へアンケートを実施したところ、多くの貴重なご意見をいただきました。2024年6月、皆様の声を糧に、さらなる理想を形にするための再設計が始まりました。

理想を追い求める開発は、時に孤独で、試作が上がってきては「納得がいかない」と頭を抱える日々が続きました。
私一人で設計を練り直し、それをパートナーである職人さんにぶつけ、何度もサンプルを作り直していただく。細かなミリ単位の調整や、縫製の難しさに直面するたびに、何度も壁にぶつかりました。
しかし、再販を待ってくださる皆様に届けるものに、一切の妥協だけはしたくなかった。多くの時間を費やしましたが、ようやく私が理想とする「Trail Camera Pouch 2」を形にすることができました。
【Detailed Update】9つの進化点
今回のアップデートは、もはや「作り直し」に近いものです。以下はその全てを反映した8つの改良ポイントをまとめています。
| 生地 | Previous: WeatherMAX® 80 New Update: X-PAC V21 |
|---|---|
| サイズ |
Previous: 【外寸】幅18.5×高さ22×奥行10.5cm 【内寸】幅16.8×高さ20.3×奥行9.6cm New Update: 【外寸】幅19×高さ22.5×奥行11cm 【内寸】幅17.8×(最大)高さ21.4×奥行10.3cm |
| 重量 |
Previous: 128g New Update: 135g |
| クッション構造 | Previous: 8mm (全面固定) New Update: 5mm + 底面5mm追加クッション |
| テープ幅 | Previous: 1.5 cm New Update: 2.0cm (負荷分散) |
| ポケット幅 | Previous: 12 cm New Update: 18cm (フルワイド) |
| カラビナ | Previous: D型プラスチック 5g / 個 New Update: S型ステンレス 10g / 個 (ブランドロゴ入り) |
| 耐久設計 | Previous: 標準縫製仕様(フルオープン優先) New Update: 高耐久・パンク回避構造(ファスナー可動域:両端各1cm調整) |
| 織りネーム | Previous: nobodyhike New Update: BRIVISTA (エンブレム付織ネーム) |
それではそれぞれについて詳しく解説します。
生地
初代モデルで採用した「WeatherMAX® 80」は非常に優れた機能性を備えていましたが、新生モデルでは「防水性」と「軽さ」をより追求し、「X-PAC V21」へと進化させました。以下はそれぞれのスペックを比較したものです。
| 比較項目 | X-PAC V21 | WeatherMAX® 80 |
|---|---|---|
| 主な構造 | 3層構造 (ポリエステル / X-PLY / PETフィルム) |
高強度ポリエステル織物 (Satura® 原料染め糸) |
| 防水・透湿性 |
完全防水 (裏面フィルム) ※透湿性なし |
高度撥水・透湿性あり ※蒸れを逃がす構造 |
| 重量 (目安) | 203g / sqm (非常に軽量) |
271g / sqm (やや重厚) |
| 質感・風合い | パリッとしたハリ感 (形状保持力が高い) |
しなやかな布の質感 (馴染みが良く柔らかい) |
| 耐久設計 (UV) | 標準的 (都市部・登山向き) |
極めて高い耐UV性 (長期屋外・遠征向き) |
「X-PAC VX21」はヨットの帆で世界シェア1位を誇るDimension-Polyant社が開発したハイテク素材です。

初代モデルに採用したWeatherMAX® 80も、優れた防水性能とタフさを備えた素晴らしい素材でした。今回の「Trail Camera Pouch 2」では、その信頼性を継承しつつ、さらなる高みを目指しています。
X-PACの最大の特徴は、圧倒的な防水性とさらなる軽量化の両立です。生地自体が水を一切通さないため、突然の天候変化からも大切な機材を保護します(※縫い目を除く)。強靭でありながら、WeatherMAX® 80を上回る軽さを実現したこの素材は、私の理想とする「軽さ・強さ・防水性」を形にするための、まさに一択の回答でした。
サイズ
左が初代モデル、右が新生モデルです。


数値で見るとわずかな差ですが、外寸で幅・高さ・奥行き共に約0.5cmずつ、内寸で約1cmずつの余裕を持たせています。
特に高さ(最大21.4cm)と幅(17.8cm)を確保したことで、横幅のあるフルサイズミラーレス一眼や、標準ズームレンズを装着した状態、さらにはレンズフードを付けたままの収納にも対応。初代モデル以上に、幅広い機種で安心してお使いいただけるようになりました。
重量
サイズアップとテープ幅の変更によるパーツ調整などが影響し、初代モデルから7g増量となりましたが、生地やクッション材の軽量化で最小限に抑えています。

増量したとはいえ、手に取っていただければ、その軽さに驚くはずです。軽量化を重視するUL(ウルトラライト)ハイカーにも満足いただける重さとなっています。
クッション構造
ここが今回、最も苦悩した箇所です。初代モデルの8mm厚クッションは保護性能を優先したものでしたが、製造工程で無理が生じ、納得のいく品質に達しない個体(縫製不良)が出るという課題がありました。
「ブランドとして、自信を持って送り出せる品質を100%担保したい。」
その一心で、高密度な5mm厚クッションへの切り替えを決断しました。単に薄くしたのではありません。スポンジ特有の型崩れを防ぐため、表面に硬めのメッシュ生地をダイレクトに縫い付けるという手間のかかる補強を施しました。これにより「薄く、強く、型崩れしない」理想の骨組みが完成しました。以下は、試作品です。

さらに、最も衝撃を受ける底面には、取り外し可能な5mm厚の追加クッションを設置。底部は合計10mm相当の保護層となり、初代を超える安心感を実現しています。

テープ幅
初代モデルにおいて、稀に「テープの付け根が解ける」という事象が発生しました。私自身、この事実を重く受け止め、今回の新生モデルにおいては重要な補強箇所です。
まず、テープ幅を2cmへ広げることで、縫い目にかかる負荷を物理的に分散。その上で、接合部には通常の倍以上の返し縫いと、負荷を一点に集中させない独自の補強パターンを施しました。

初代モデルを遥かに凌ぐ耐荷重性を備え、過酷な使用にも耐えうる確かな耐久性を実現しています。
ポケット幅
小物を収納するフロントポケットは、その利便性を最大化するため、横幅を12cmから18cmへと大幅に拡大しました。

「ポケットの隅にある小さなアイテムが取り出しにくい」という課題を解決するため、ポーチの端から端まで広がるフルワイド設計を採用。これにより、予備バッテリーやSDカードケース、レンズフィルターなどの出し入れがスムーズになりました。
カラビナ
ポーチを支えるカラビナは、従来のプラスチック製から、より強固なステンレス製のS型カラビナへと一新しました。

今回、付属品として新たに採用したのが、2個のステンレス製S型カラビナです。この点は「軽量さ」よりも、重い機材を預けるに足る「剛性」を優先。プラスチック特有の経年劣化や破損リスクを排除し、岩場などでの衝撃にも耐えうるタフな仕様を選び抜きました。また、ゲートが2つあるS型を採用したことで、ザックへの着脱のしやすさも向上しています。
表面にはBRIVISTAのブランドロゴを刻印。機能面での安心感はもちろん、手にするたびにプロ仕様の道具としての高揚感を感じていただける、特別なパーツへと進化させました。
耐久設計
ファスナー両端の可動域をあえて初代モデルより左右1.8cmずつ短く設計しました。

一見、開口部がわずかに狭まったように感じられるかもしれませんが、これは長期的な耐久性を守るための重要なアップデートです。ファスナーの端に適切なゆとり(縫い代)を確保することで、生地の重なりによるファスナーのパンク(破綻)リスクを徹底的に排除し、最も負荷のかかる可動部の縫製強度を最大化しました。
織りネーム
ブランドの刷新に伴い、ロゴマークを「nobodyhike」から「BRIVISTA(ブリヴィスタ)」へとアップデートしました。

新たなエンブレムに刻まれた「鷹」は、磨き抜かれた至高の装備(Brilliant)を纏い、まだ見ぬ勝利の行先(Vista)へ羽ばたくという、私たちの決意を象徴しています。
この高精細な織ネームは、日本の職人技術によって製作。過酷なフィールドでも色褪せない耐久性と、手にするたびに高揚感を感じさせる品格を両立させました。
カラー展開について
今回の展開は、ブラック1色のみとなります。 さまざまなザックの色に合わせやすく、X-PAC VX21の素材感が引き立つベーシックな仕上がりです。まずはBRIVISTAの基準となるこの一色から、新しい使い心地を体感いただければ幸いです。
価格について
新生BRIVISTAとして、ハイカーのための実力派ポーチを一切の妥協なく形にした結果、以下の価格を設定いたしました。
Trail Camera Pouch 2
定価:19,800円(税込)
初回モデルから価格を改定させていただきましたが、「X-PAC VX21」への一新、サイズアップ、強度アップの調整、高剛性なロゴ刻印入りステンレスカラビナの採用など、初回モデルを上回るクオリティアップを実現しています。
お届け予定
2026年7月中旬より順次発送を予定しております。
今後の展開について
アンケートで多くのご要望をいただいた「専用ストラップ」についても、現在別売りでの販売に向けて開発を進めております。
まだ試作と改良を繰り返している段階ですので、詳細が決まり次第、改めてブログやSNSでご紹介させていただきます。ポーチ本体と組み合わせて、より快適な撮影体験をお届けできるよう準備しておりますので、どうぞ楽しみにお待ちください。
【最後に】自然を歩き、写す、あなたへ
素材、サイズ、クッション、そしてミリ単位の補強に至るまで。 実際にフィールドで愛用してくださった皆様の声に真摯に向き合い、そして何より、私自身が「これこそが欲しかった、これなら愛機を託せる」と確信できるレベルまで徹底的に磨き上げました。
この「Trail Camera Pouch 2」は、私の2年間の情熱と試行錯誤を詰め込んだ集大成です。
新しい相棒が、皆様の素晴らしい山行を支え、人生を彩る最高の一枚を切り取る力になれば、これ以上の喜びはありません。
磨き抜かれた装備と共に、まだ見ぬ景色(Vista)へ。
